将棋というゲームの強度と将棋ソフトの怪力。
しかしどのぐらいの差でどのぐらい逆転しやすい・しにくい将棋だったのかな?というのはよくわかりませんでした。感想戦や控室で示された手順が、アマでも一目見えるものでしたがその先を考えられるプロであればあるほど、怖さがある手順だったのではないでしょうか。
相手が詰将棋の鬼、藤井聡太であることもやはり無関係ではなかった、理解できる実戦心理だったと思います。
26角と打った88手目、あるソフトの評価値は後手に大きく振れていたそうです。具体的には1,000点を超えていたとのこと。ただ、そこまでの差異と感じる人間はプロを含めて居なかったのではないでしょうか。
将棋ソフトによる、人間の概念を覆すような新手や構想が次々にあらわれています。最近ではそれが更に進み、二手目の評価値、みたいな話が出てきているようです。具体的には二手目に角道を開ける手が悪手である可能性がある…という驚きの話です。角道を開けると、横歩取りか振り飛車か一手損角換わりか雁木になるわけですが、横歩取りと振り飛車は後手不利、一手損と雁木も先手からの速攻がある、ということが遠因のようです(もちろん、結論!とか断言!ということではなく、半分ジョークっぽいニュアンスも含まれた話のようですが)。
通常の角換わりについては、手順的に先手が先手としての得を保持したまま進めるには回避しにくく、後手が千日手に持ち込める可能性がある…という話も出ていました。どちらも「やねうら王」さんのブログで読んだんですが。(http://yaneuraou.yaneu.com/ )
こうなると将棋というゲームを、ソフトを使ってクラッキングしている…という状況に近いなぁと思ってしまいます笑。
クラックされにくさは言い換えるとそのゲームの奥深さであり強固さです。人間にとっては、たとえば将棋をよりシンプルにした(必勝定跡のある)「どうぶつ将棋」ですら充分楽しめる複雑さ、強度を有していると思いますが、将棋というゲームの強度では徐々にソフトに太刀打ちできなくなっているのかもしれません。
以前は新手一生、ついこないだまでは新手一勝と言われていましたが、もはや新手一笑、みたいな世界に感じます。人間が新手を編み出すのではなく、ソフトの解析を用いてまだ大丈夫な局面を探し出す作業に近づいているというか。
プロにならなければ意味がない三段以下の奨励会員もほぼ全員、ソフトを使っていると思います。三段や新四段の構想がプロ棋界で流行るというのが今までありましたが今後はどうなっていくのか、とても興味があります。
藤井聡太七段や、アマの折田さんのように中終盤の力が充分に強化されてからソフト導入でもうひと伸び、というのとは違った棋力強化が図られているはずでどういう将棋がトレンドになり、どういう棋風がメジャーになっていくのか?という点を見ていきたいと思います。(最近、ある意味そういうソフトのトレンドに逆行するように振飛車党の若手が誕生しているのも面白い現象ですよね)。
以下、関連する私のツイート。
#ShogiLive 藤井聡-高見 89手 ▲3七桂 ここではやはり角切って銀とって55桂で勝負するしかなかったのか。でも藤井聡太さん相手に駒を渡しまくるのは嫌だよなー。23歩同玉35桂からの筋で逆襲あるのは目に見えてる訳で。ってことは難解だったの?ソフト推奨手を知りたいなー。 pic.twitter.com/7j8aaPmJxT
— 将棋観戦 (@shogiwatch) 2019年4月25日
最近のソフトは強すぎて昔の評価値とだいぶ違う印象。強度は人間同等なのに怪力なソフト同士だとワンパンチで倒れるので評価値が大きく傾くけど、実際にはそんなに形勢差がない…みたいな。55桂で後手が良いとしても体感値では200〜300って感じだけど、ソフトは1,000とか言ってたんでしょ?凄いよなぁ
— 将棋観戦 (@shogiwatch) 2019年4月25日
怪力過ぎるから逆にジリジリした手順を選ぶ、というのはソフトで飛車落ち研究してて思った。
— 将棋観戦 (@shogiwatch) 2019年4月25日
あと駒落ちは基本的に居飛車党でも振り飛車党でも対振り飛車をイメージした作戦だと大体問題ない気がする。
将棋大観的な古い定跡は全部捨てて、平手で使ってる作戦をアレンジするのが一番かなぁと。
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