渡辺明、棋聖奪取で三冠に復帰。
後手陣の状態が独特すぎて、先手の過激な手順に飛び込む構想がタイトル戦の土壇場と思えない胆力で、すごかったですね(小並感
いつも冷静な渡辺さんですが久しぶりに三冠復帰ということで、終局直後は感極まっているようにも見えました。羽生さんの後は俺、という気持ちもあっただろうしその実力も勿論あるわけですが瞬間的にスランプがありそこから復活しての三冠というのは一度地獄を見た後だけになんともいえないものがあったのでは?
後手雁木は割と渡辺さんが要所で谷間のエース的に投入しているイメージがあります。超急戦が怖いというかそれで厳密には先手が初期値より良くできるはずですがそれに対する準備があったのでは?
そういう意味で豊島さんが本譜の展開にしたのか、あるいは手順的に急戦を選びにくくする工夫が後手にあったのかもしれません。仕掛けの時点で35歩を切りにくい形なので先手の攻めが細いかな?という印象がありました。
中盤をすっ飛ばしていきなり過激な展開になってからは後手陣が2筋壁ゆえに難しくなっているように見え、実戦的な勝負術でした。ただそこからの渡辺さんの攻め、前述の58手目からの一段金までが絶妙でした。
先手は飛車をなりこんで一勝負だったはずが一手後手の攻めが早いという、細い攻めをつなげさせると棋界一、という渡辺さんの良さが出ていましたね。
豊島さんは初の防衛戦だったわけですがキープできずに二冠に後退。戦前に渡辺さんが言っていたように独走になるかどうか?というところでしたが渡辺三冠がひとまず第一人者の意地を見せました。
藤井聡太さんは竜王戦トーナメントで豊島二冠、勝つと渡辺三冠にあたるわけですが、先日の久保藤井聡太戦といい、本局といい、本当にすごい終盤のねじりあいが最近は多いですのでプロのすごみ、みたいなのが伝わってきて楽しいです!
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