藤井聡太七段、二つ目のタイトル挑戦!
#ShogiLive #第61期王位戦挑戦者決定戦 #藤井聡永瀬 #127手
— 将棋観戦 (@shogiwatch) June 23, 2020
いやー半端ない。半端なく強い。永瀬二冠にこういう勝ち方するとは。二手勝つ相手にこういう勝ち方。
第61期王位戦挑戦者決定戦、昨日ありましたが、いやー藤井聡太七段強すぎました。最も負かしにくい相手であるはずの永瀬二冠にこういう勝ち方をするとは…パート2、ですね。最年少挑戦を決めた相手も永瀬二冠。その時は永瀬二冠の相掛かりを受ける将棋でしたが今回は先手番を引き角換わりを志向。
初手26歩の意味は相掛かりか角換わり。藤井聡太七段は相掛かりをやらないので角換わりをやりたいという気持ちを初手で示したわけですね。研究会の相手である永瀬二冠としては研究会で角換わりを受ける展開は多かったでしょうが果たしてこの早繰り銀を予想していたでしょうか。
研究会ですら見せてない気もしてるんですがどうなんでしょう。角換わり腰掛け銀という大エースをタイトル戦に温存しているのだとするとダブルタイトルマッチ、かなり両方とも獲るつもりというか獲れるように取り組んでいるのかも??
この作戦は永瀬二冠の得意戦法であり、私が見届け人として参加した前期の叡王戦第一局がまさにこの作戦でした。得意作戦を相手に指されるのって私は結構嫌なのですが、永瀬二冠としても自ら最有力な対抗策を出すのは嫌、というのはないのですかね。
相早繰り銀は先攻してすぐに相手から反撃手が来るのが特徴的な作戦で、細い攻めによって得られるメリットが小さいため、アマには指しこなすのが難しい作戦、という印象があります。
中盤のねじりあい、特に一時間半考えた末の角打ち以降のバランスを崩さない両者の指し手がすごかったですね。特に印象的だったのは、67手目の48金、68手目の15歩でした。48金の凄みは滅茶苦茶攻められてる状況で攻められてる左側はいじらず、じっと右側のポジションを整えたことです。しかも7分で。
一目の手、第一感の手ではないように思うのでトコトン読みつくしている、藤井聡太さんらしい、読みの将棋らしい手だなと思いました。この手の効果でこの先飛車を渡しても飛車の打ち込みの隙が無くなっています(本譜のように進んでも58に打たれない)。
対する永瀬二冠の△15歩は、正直私にはよい手には見えません。見えませんが、藤井聡太七段がやってきても大丈夫、とした局面で攻めを続けてもダメなのだろう・・・という意味合いもあったかもしれません。とはいえ、相手にやらされている手、なのでここでもやはり水面下にある選択肢のボラティリティを抑える藤井聡太七段らしい指し回しの特徴が表れていると思いました。
75手目、一分でさされた67桂から数手後の37桂~57桂の手順が藤井聡太ならではの桂使いでした。私の持論なのですが「人間は視覚的な理由で角と桂馬の利きや性能を正しく認識するのが難しい」のです。でも藤井聡太七段には普通の人、普通のプロ以上にその使い道がよくわかっている感じがあります。
詰将棋作家のセンス、なのでしょうか、藤井聡太七段の桂馬使いはとても印象的です。
95手目の局面、棋譜中継見れる人はみてほしいんですが先手の金銀は2枚しかなく、後手は6枚持ってるわけです。駒割りは先手が飛桂をもらって後手が金銀もらってる状況。しかし先手の48金-29飛の形が絶品で38銀とされるような展開にもならない。あと一手玉が右に行けばその先に圧倒的に安全なエリアが広がっている。
堅さではなく広さで戦う現代将棋というか一目こう指す、という感性の将棋だと流れ弾に当たってしまう展開を圧倒的な読みの量で保っているのが本当にすごいです。
普通の棋士だとある程度読みを入れても指す手は第一感の手…ということが多そうで故にプロ棋士が控室や大盤で解説していると手があたることが多く、それこそ七割ぐらいは当たっている気がしますが、藤井聡太七段の将棋については当たらないことが多いように思います。
将棋は王道なのですが読みの量が半端ないのではないでしょうか。
これで二つ目のタイトル挑戦を決めました。相手が受けの名手木村一基王位。攻めの渡辺明三冠との棋聖戦、受けの木村一基王位との王位戦。全く違うタイプの二人との対戦で今年の夏はずっと楽しく過ごせそうです。
まだ竜王戦の挑戦の目も残っているので今期末にはもしかすると三冠王になっている可能性がありますが、私はその確率が50%以上あるのではないか?と思っています…。
平均への回帰…からの勝率8割越えですね、分かります😇😇😇😇😇 https://t.co/muPFjxvuKo
— 将棋観戦 (@shogiwatch) June 23, 2020
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